ココマイスター ジョージブライドルシリーズの最終工程「コバ」

ブライドルレザーを表裏両面に使用した、ココマイスターの贅沢なシリーズが「ジョージブライドルシリーズ」です。

縫製を終え完成間近の製品も、まだこの段階では革の断面が露わになっています。この革の断面を美しく覆い、表裏を一体に見せる「コバ」を仕上げる最終工程を紹介します。

コバの仕上げ

コバとは革の断面の事です。

露わになった革の断面に塗料を塗り、磨く、という作業を繰り返すことで、重なり合った革の断面を、一枚であるかのように仕上げることができます。

このコバ（製品の縁）を仕上げる工程を終えると、製品は完成を迎えます。

コバの仕上げは完成までの最終工程であり、コバの完成度によって製品の印象は大きく変わります。そのため責任重大であり、決して妥協することができない大事な工程です。

塗り

「塗り」の工程では、専用のローラーにコバを滑らせることで塗料を塗布します。

塗が不均一の場合、仕上がりが歪んで見えてしまうため、塗料の付き具合が均一になる様、塗る角度を手元で微調整しながら塗り進めます。

磨き

塗り終えたコバが完全に乾ききったことを確認し「磨き」の工程に入ります。

この工程ではヤスリをかけることで、塗りムラを整えます。滑らかな面が得られるまで何度でも磨きます。

革の断面が見えてしまったり、デコボコがあればまた「塗り」を行い、面を整えます。

「塗り」と「磨き」を繰りかえる

2～3度繰り返す頃にはほとんど溝が無くなります。

4～5回ほどで溝は消え滑らかなコバになります。

「もういいだろう」と思ってからのもう一塗りが、完成度を上げます。納得がいくまで手作業で何度も磨き上げたコバには、職人魂が感じさせられます。

下準備

「ジョージブライドルシリーズ」はブライドルレザー同士を縫い合わせるとという、非常に難易度の高い縫製を行っています。そのため通常よりも多くの下準備が必要となり、その手間の量もこのシリーズを特徴付けるもののひとつです。

コバ仕上げの下準備として行っていることがあります。それは縫製前の段階で、事前に革の角を鉋（かんな）で削り落とすことです。この下準備を加えることで、より滑らかなコバを得ることができます。

「コバ仕上げ」は製品完成までの最終工程として、とても重要な工程ではありますが、その工程を支える、さらに多くの下準備や手間があって、ひとつの製品が完成します。

”美しいコバ”を生み出すには「塗りとみ下記を極める」だけでは足りません。なぜなら革を裁断してからのすべての工程が仕上げの工程に繋がっており、そのすべてが仕上がりに影響するからです。美しいコバはそれまでの全工程の集大成と言えます。

英国が誇る最高級馬具革であるイングリッシュブライドルレザーを贅沢に使用したシリーズです。

全面にブライドルレザーを使用しており、ロウが浮き出る特徴的な表情から、接着剤を使用することが困難であり、生産本数が極めて少ない逸品です。

数多くの職人に制作を断られ続けてきたシリーズで、これぞマイスターメイドの工芸品です。

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