ムーミンの財布を持つこわもての上司が可愛いくて素敵だった

数年前の話ですが、私がパートで半年の契約で働いていた保険会社の上司の話です。

私は事務員でしたので、保険の営業の方とは、あまり会話もないのですがこのまま半年もこんな調子では気まずいなと、話のいとぐちを探していた時期でもありました。

上司の財布がムーミンで盛り上がった

そんなときです。隣の上司のお財布が鞄から落ちたので、拾って渡しました。長財布でダークブラウンの革の財布です。普通の渋い財布かなと思い、拾って「落ちましたよ」と渡した時です。

その財布をよく見ると片面にはムーミンもう片面にはミイが、押し焼きみたいな感じでプリントされているのに気がつきました。こわもての上司だったので意外すぎました。

私の視線に気がついたのか、上司は少し照れたように「これ奥さんと子供からの誕生日プレゼントでね」と言いました。どうりで！と思いましたが、微笑ましくも思いました。

確かに40代の男性が持つには少し勇気のいるプリントでしたが、渋めのテイストの大人向けの財布であることは一目瞭然ですから、これはこれでありだなと思いました。

財布がきっかけで打ち解ける

そのことを褒めると、上司はとても喜んで一気に打ち解けることができました。

その話題に乗っかるように他の社員も「じつはその財布気になっていたんですよ」と話題はどんどん盛り上がり、しばらくみんなの財布談義にまで発展していきました。

私も実はムーミンが好きだったので、ムーミンに詳しかった事から、その年の年賀状はムーミンの柄にしてみました。

年が明けてもムーミンの財布については話が尽きず、上司の奥さんはスナフキン柄かムーミンの柄かで財布を選ぶときにかなり迷ったという、裏話まで聞くことができました。

今ではすっかりムーミンのファンだという上司のネクタイがムーミンだったのも、当時はみんなの笑い話になっていました。

本人とのギャップが素敵

お財布一つですっかり職場になれた頃契約が切れてしまい、その後転居した私は今でもあの楽しかった職場を思い出しては、ムーミンの財布のおかげで職場に馴染むことが出てて良かったと思っています。

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