就職祝いに社長から贈られた革財布を大切に使う彼が素敵だと思う

私が素敵だなと感じた男性の財布は使い込まれた革財布です。

社会人2年の頃、交際を申し込まれた年上の男性が使っていた財布です。

かっちりとした作りの品のある革財布でした。当時私はファッション小物にこだわりがあり、デート中に自動販売機でジュースを買ってくれようとした彼の出した財布にふと目が惹き付けられました。

使い込まれた革の風合いがかっこよく、思ったままに財布を褒めてみたところ、思いもよらぬエピソードがありました。

財布に込められたエピソード

その財布は、彼が大学卒業後やっとの思いで決まった就職先で入社祝いにと社長から直々に贈られたものとのことでした。

小さな会社でその年の新入社員は彼一人だったそうで、盛大に歓迎会が行われた時に渡され、その時の社長がかっこよかったんだと自慢げに話してくれました。

財布を頂いた際、社長から｢革細工は使い込めば使い込むほど味が出るから、君も定年までこの会社に勤めて君なりの味を出してくれ、楽しみにしているよ｣と握手を求められ、その時は嬉しくて涙が出そうだったと彼は照れくさそうに話していました。

彼が入社して5年が経っていましたので、それなりに革には折り皺が出来たり、シミができたりしていましたが、きちんと手入れされていて、かえってそこがイイ味を出している素敵な財布になっていました。

普段の彼からは想像できないほど財布を大切に使っている

雑誌に掲載されているようなブランドの洋服やバッグを好んで身に着けている、ややミーハーなところがある彼でしたが、社長の言葉に感銘を受けて以来ずっと使い続けているというので正直驚きました。

毎週末必ず手入れをするとのことで、こんなにも長い間大切に使われている財布を見たのはこの財布が初めてで、ピカピカの新しい財布も素敵ではあるけれど、自分なりの味が出た財布ってこんなにもかっこいいものなんだなと思いました。

財布自体の風合いも素敵でしたが、この社長とのエピソードもプラスしてとても素敵な財布だなと思いました。

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