スペインマドリッドの子羊製長財布Lepant(レパント)
■日本で入手が難しい財布
『Lepant』(レパント)はスペインはマドリッドにある高級革を扱う老舗。そこで販売しているオリジナル製品にこのブランドがつけられています。
日本でもいくつかの貿易商が輸入しているようですが、なかなか購入が難しい逸品です。
そもそもが同じ物が二つないと言われるALL手作りですから、レストランのレジで「私が払います」「いやいやここは私が」争いでも、スーパーの長蛇の列でも、同じ財布に出くわすことはありません。
が、購入の決め手は、そんなことではありません(もちろん、それもあるにせよ)。
なんと言っても、触った時のその感触。これにつきます!
■ビロードのように愛らしい障り心地
お恥ずかしい話、まったく知らなかったのですが、スペインのマドリッドは革製品は名産品らしく、実際マドリッド界隈を歩くと、けっこう革製品の販売店や小さな工場に出くわします。
そんな中でもLepantは、マドリッドの王宮前に店を構えるスペインでも名の通った老舗で、もうそれだけでも「持つ価値がある」気がします。
子羊のなめし革という希少な素材は、とにかくやわらかくビロードのようにスムースです。他の革製品とはまったく違う感触で、残念ながら文章では表現しきれません。一度触れば、「なるほど子羊」と誰もが納得できるでしょう。
元々、子羊革は、スペインでは手袋等に使われているのですから、手に馴染むのは納得です。
子羊は愛らしい動物ですので、多少なりと可哀想にもなりますが、おそらく食肉用の残り部分であって、それはどこの革製品も同様。その分財布を可愛がるからな。許せ子羊。
■機能性はイマイチ
開くと、札入れ部分が2つ。ひとつには名刺、もしくはカードを入れるであろうポケットがひとつ付いています。その上にチャック付きの「小銭入れ」部分がひとつ。さらにその上にカード用ポケットが4つ。
標準的な札入れよりも、ひとつかふたつくらい足りない構成です。この時代にカード入れが合計5つは、不自由するかも知れません。スペイン人は、あまりカードを持たないのでしょうか。
蓋部分は、あくまで蓋に徹していて、ポケットはありません。これではイザと言うアバンチュール時の「アレ」を入れる部分がないではないか・・・。
が、もともと長財布の考え方は、小銭入れは別に持つのが通常でしょうから、まぁ、小銭入れを持っていればこれといった不自由はありません。
機能性を望む人は、これよりは夜のテレビショッピングでやるようなポケットいっぱい、風水まで考えられてるヤツを使えばいいことです。
■柔らかく使いやすい革
札入れは、あまりバカっと開いて、お札を落とすのもみっともない失態ですし、ましてや精力増強剤のレシートがバラバラと落ちた日には、その日のデートは目も当てられません。
Lepantは、基本「柔らかい」財布ですので、お口もバカッと開きます。
小銭入れも同様で、「1万と14円」の4円まで、なんなく探すことができます。これ、指が太い男性には重要ですよね。
ただし、小銭入れ部分のファスナーについては、さすがにYKKを有する日本製に一長があります。
ギコギコ開くファスナーは、小銭でさえ「出て行くな」と主張していて、無駄遣いを防いでくれますが、柔らかいということは、ファスナーレールが曲がりやすいということでもあり、ちょっとストレスがあります。
今度、クレの『556』でも試してみようかと思っています。それほどに重い。それも、スペイン人の職人気質と考えれば許せます。
■忘れ物注意
経年の劣化は、牛革よりも大幅に少ない気がします。編み目は湛然で繊細。ほつれる心配もありません。使えば使うほどに手に馴染むのは、さすが手袋などに使われるだけあります。
札入れというのは、ほとんどの場合はスーツの内ポケットを想定していますから、存在感をしめす固いものは個人的にですが、精神上よくありません。
その点で子羊Lepantは、背広ポケットによく馴染みます。これも、一長一短で、あまりに存在を主張しないので、忘れる可能性が高いのもまた事実です。お金を入れるものですから。ウッカリさんには向かない財布かも知れません。
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